個人破産(概要、メリット・デメリット)

個人破産とは?

個人破産とは、裁判所に申立てをして、生活必需品等一部を除く全財産を放棄する代わりに、免責決定を受けてすべての債務(税金等の非免責債務は除く。)を免除してもらう制度です。債務が全て免除される点で任意整理や個人再生等とは大きく異なります。(なお、債務者が一定の財産を保有している場合は「破産管財人」が選任され、管財人により財産が売却・処分されることになります。)

もっとも、申立てをすれば必ず債務が免除されるわけではなく、ギャンブルや浪費等が原因で債務を負担した等の場合には、免責決定が下りないこともあり得ます。

以上のように、個人破産とは、やむを得ない理由で債務超過に陥り、自己の支払能力では借金を返済できなくなった個人の生活を救済し、新たなスタートを切るための最終手段であると言えます。

個人破産の種類

個人破産には、管財人がつかない簡易な手続である同時廃止手続と管財人がつく少額管財手続とがあります。

(1)同時廃止手続

個人破産を申し立てた方に破産手続の費用をまかなうだけの財産(20万円超)がない場合に、破産手続開始決定と同時に破産手続を終了し、その後、免責手続を行う制度です。

同時廃止の場合は申立てから3か月程度で免責審尋が破産申立人に対してなされて免責手続は終了します。

同時廃止手続きの場合では、申立費用(官報公告費、手数料、切手代)として約1万5千円程度の実費がかかります。

同時廃止になるか否か(少額管財になるか)は、個別の事案ごとに裁判所が最終的に判断しますが、近時の東京地方裁判所の運用の傾向としては、同時廃止手続ではなく、少額管財手続とすることが多いように思われます。

(2)少額管財手続

裁判所から選任された破産管財人(弁護士)が、財産・債務の調査や換価処分等を行う手続です。

少額管財の場合には、破産手続が終了するまで通常数か月程度かかりますが、不動産の処分が進まない場合には一年程度手続が続くこともあります。

また、通常の申立費用(官報公告費、手数料、切手代として約1万5千円程度)に加え、管財費用の予納金として最低20万円(最長4回まで分納可)が必要となります。

以下の場合には「少額管財」とされるのが通常です。

  • 個人事業主、法人及び法人代表者の場合(個人事業主、法人のみの破産、代表者のみの破産の場合でも少額管財となります)⇒この場合の弁護士費用は別途見積を提示させていただきます。
  • 20万円を超える財産がある場合
  • 免責不許可事由がある場合や可能性が高い場合

裁判所が免責不許可と決定した場合、債務は免除されません。但し、諸般の事情を考慮して免責を認めることが相当な場合には免責が許可されます(裁量免責)。

免責不許可事由の例
  • 浪費行為
  • 一部債権者に優先して返済していた場合(偏頗弁済といいます。)
  • 換金行為を行った場合
  • 詐欺的借入を行った場合
  • 破産申立ての7年前に免責決定を受けた場合
  • 破産手続に際し、説明義務を尽くさない等不誠実な態度を取った場合

個人破産のメリット・デメリット

個人破産のメリット・デメリットに留意して個人破産を選択するか、他の債務整理を選択するかを判断することになります。

個人破産のメリット

免責許可決定を受けることで全ての債務から解放されます(滞納税や社会保険料等、故意・重過失による不法行為や過失による生命・身体に対する不法行為による損害賠償債務等は免責されませんのでご注意ください。)。

逆に言えば、免責不許可の場合や免責対象外の債務が多額に上る場合には債務は免除されないため、破産自体のメリットもないことになります。しかし、免責不許可となる場合は極めて悪質な場合に限られており、不許可事由があっても裁量免責となることも少なからずあります。この点は弁護士にご確認ください。

個人破産のデメリット

  • 破産申立時に保有する20万円を超える財産(現金は99万円まで)は、生活必需品を除き、原則、換価処分されます。→持家があり手放したくない方には個人再生(住宅ローン条項付き)をお勧めします。
  • 破産手続が終了するまでの間(通常3~6か月、場合によっては1年に渡ることもあります)特定の職業(資格)に就くことが制限されます。
    →該当される方には個人再生をお勧めします。破産による身分制限がありながら、勤務先に黙って当該資格に基づく職務をすると解雇事由となりえます。
    例)士業、宅地建物取引主任者、保険や証券の外務員、旅行業務取扱管理者、警備員等
  • 破産手続終了までの間、旅行や転居が制限され、その場合には届出などをする必要があります。また、少額管財手続では、郵便物が管財人に転送されます。郵便物の転送は財産隠匿の調査発見を目的としています。
  • 官報に破産者として氏名等が掲載され、また、本籍地の市区町村役場発行の身分証明書に記載されます。ただし、免責の決定を受ければその記載は抹消されます(戸籍に載ることはありません。)。
  • 信用情報に掲載(5年~10年間)され、その間は新たな借入やカードの利用が難しくなります。⇒この点は他の債務整理でも同様です。
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アクセス

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